本日、作家の村上春樹氏が、初めてラジオDJとして、TOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO~RUN&SONGS~」に出演。
そこで、「音楽と文章」という興味深い内容があった。
http://news.livedoor.com/article/detail/15116554/
村上春樹について
これまで、数多くの小説・エッセイ等、数多くの作品を出版。
最新の作品として、「ノルウェーの森」「海辺のカフカ」等、ある。
小説家が、何故、音楽?
(以下、livedoor NEWS より)
もともと文章家になるつもりはなかったんです。
どちらかというと音楽のほうに興味があって、それを仕事にしていたわけ。
そういう人間が突然、小説を書いて小説家になったので、誰かの小説技法を学ぶというよりは音楽から入ったというほうが近いですね。
リズムとかハーモニー、フリーインプロビゼーションとか。
書きながらそういうことを意識して、それこそ踊りながらというか(笑)、フィジカルに書くという傾向が僕の場合は強いと思います。
だから僕の本を読みやすいという人がいたら、そういう人たちとは割と音楽的に通じているんじゃないかという気がすごくします。
僕は文章の書き方は音楽に学んだと言ってるんです。
小説を書く際、「技法」よりも、「リズム」「ハーモニー」「フリーインプロビゼーション」を意識すること。
これが、「小説」でなく、「詩」であれば、イメージがつきやすい。
音楽の三要素として、「リズム(律動)」「メロディー(旋律)」「ハーモニー(和声)」がある。
これは、文章で言うと、「言葉の抑揚」「語順」「語調」に該当すると思われる。
こう考えると、音楽は文章に通じるものがあることが伺える。
村上春樹の名言
この世界に音楽というものがなかったら、僕らの人生は(つまり、いつ白骨になってもおかしくない僕らの人生は)もっともっと耐え難いものになっていたはずだ。
『村上ラヂオ』
どんなことでもそうだけれど、結局いちばん役に立つのは、自分の体を動かし、自分のお金を払って覚えたことね。本から得たできあいの知識じゃなくて。
『スプートニクの恋人』
「小説」「エッセイ」等、数多くの作品を出版するにあたり、やはり基盤となっているのが「音楽」であり、知識よりも自分で成し得たことを生かすことを重要視していることが、この名言から伺える。
まとめ
私自身、文章は音楽に通じるものがある、ということを、村上春樹さんより教えられた。
文章を書くとなると、「テーマは何か」「どういう構成で書くか」「いつまでに仕上げるか」といったことを、ついつい頭の中で意識してしまう。
そこには、「感性」よりも、「知性」が働いてしまう。
しかし、文章も音楽も、1つの「作品」、という点では共通している。
この「作品」を提供する側として、いかに、読む側(又は聞く側)に対し、感銘を受けることができるのか、また「感性」を伝えられるのか、が重要ではないかと思う。
村上春樹さんには、この音楽で培ってきた「感性」というものを糧に、今後も小説・エッセイ等の作品を作り上げて頂きたい。