8月21日、第100回全国高校野球選手権記念大会のクライマックス(決勝戦)で、大阪桐蔭高校(大阪)と金足農業高校(秋田)が激突。
大阪桐蔭は、ここまで3人の投手で勝ち上がってきたのに対し、金足農業は、吉田輝星投手1人で5試合完投で勝ち上がってきた。
大阪桐蔭は、史上2度目の春夏連覇のかかる試合であるのに対し、金足農業は、初優勝のかかる試合であり、また秋田県勢として103年ぶりの優勝のかかる試合。
大阪桐蔭は、野球エリートが集まった私学の強豪高校であるのに対し、金足農業は、地元出身の選手をそろえた公立高校。
甲子園のクライマックスは、対照的な2校が激突する形となった。
100回の記念大会で頂点に登りつめたのは?
試合は、序盤から、金足農業エース吉田輝星投手に対し、大阪桐蔭打線が圧倒。
大阪桐蔭が13対2で、金足農業に大勝し、4年ぶり5度目の優勝を飾るとともに、春夏連覇を達成した。
数々の有力選手が集まる大阪桐蔭。
圧倒的な破壊力、接戦を勝ち上がる勝負強さを見せつけ、次々と勝ち上がり、気づけば頂点に登りつめていた。
なお、明日8月23日には新チームでの練習試合が予定されているそうで、来年春の選抜に向けて、休み間もなく、早速始動し始める予定である。
次なる目標は、もちろん、「春⇒夏⇒春、連覇」でしょう!
一方、頂点を逃したのは?
これまで5試合、接戦をものにし、決勝の舞台に勝ち上がってきたものの、大阪桐蔭打線の前に大敗を屈してしまった金足農業高校。
今大会の金足農業旋風は、地元秋田県民のみならず、日本全国の高校野球ファンを魅了した。
地元の選手のみの高校で、投手を数多くそろえることのできない環境下、プロ注目のエース、吉田輝星投手が牽引し、ここまで勝ち上がってきた。
また、攻撃では、試合で劣勢に立たされても、選手1人1人が最後まであきらめず勝利を目指す。
その粘り強さが、今大会で際立っていた。
それにしても、地元秋田の盛り上がりは、凄かった。
まとめ
記念すべき100回目の夏の高校野球が、無事、幕を閉じた。
今大会開幕前、日本列島を覆った猛暑により、選手のプレーの影響が心配されたが、特に大きな問題もなく、大会を終えることができた。
ただ、今回準優勝した金足農業のエース吉田輝星投手について、甲子園の前の秋田大会含め、1人で1517球も投げたことに対し、様々な物議が醸された。
「たら、れば」の話になるが、決勝戦で吉田以外の投手が登板していれば、違った結果になっていたのかもしれない。
1人で投げぬくことは素晴らしいことであるが、野球は9人だけでなく、ベンチ入りメンバー含め18人で行うものである。
もちろん、試合に出場する9人のメンバーは、選手が決めることはできない。
ただ、出場中の選手に万一のことがあったときのことを考え、ベンチ入りメンバーはいつでも準備しておく必要は当然あるし、出場メンバーを陰で盛り立てる役目を果たす必要がある。
また、公立高校で選手層が薄いチームでも、「ピッチャー」というポジションは、複数人必要である。
野球というスポーツは、ピッチャーが球を投げることから始まる。
ピッチャーの投げる球が、試合の勝負を大きく左右することになる。
今大会は、様々なドラマが生まれた大会であった。
記念すべき今大会で活躍した選手が、今後、どう巣立っていくのか、また、来年夏、甲子園でどのようなドラマが生まれるのか、楽しみである。