西日本を中心に、甚大な被害が出る豪雨災害となった、「西日本豪雨」。
また、埼玉県熊谷市では、国内の統計開始以来の最高気温41.1℃を記録。
本日、この顕著な気象状況について、気象庁の異常気象分析検討会(会長=中村尚・東京大先端科学技術研究センター教授)は、「異常気象の連鎖だった」との見解を示した。
異常気象の連鎖とは
(気象庁HPより)
図1
図2
異常気象分析検討会は2007年6月から気象庁が運用を始めた組織。
猛暑や豪雪など、社会経済などに大きな影響を与える極端な気象現象が発生した場合に、大学や研究機関の専門家たちが集まって、発生の原因について分析や検討を行っている。
検討会は、7月の西日本豪雨の原因について「西日本付近に停滞した梅雨前線に向けて、極めて多量の水蒸気が流れ込み続けたこと」をあげ(図1)、記録的な高温の原因については「太平洋高気圧とチベット高気圧がともに日本付近に張り出し続けたこと」と指摘(図2)。
いずれも「シルクロードテレコネクション(シルクロードパターン)」と呼ばれる偏西風の大きな蛇行が繰り返されたことで引き起こされたという。
また、検討会では、「豪雨と高温だけでなく、6月下旬に関東甲信で過去最も早く梅雨明けしたこと、梅雨のない北海道で豪雨災害が発生したこと、台風が日本列島付近を東から西に進むというかつてない動きをしたことを含めて、一連の現象は次々とお互いが関連して発生した異常気象の連鎖だったと考えられる」と説明。
また、地球温暖化による影響は明らかである。
「気温が1度上がれば、空気中に含まれる水蒸気量は7%増加する。温暖化の傾向は明らかなので、今後もこのような顕著な豪雨が発生することは覚悟したほうがいい。」と説明。
(以上、THE PAGE より)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00000011-wordleaf-sctch
海外での状況
国連の世界気象機関(WMO)によると、今年6~7月は、北極圏を含め世界的に気温が上昇し、異常な猛暑に見舞われている。
●欧州北部
ノルウェー、フィンランド
7月の気温:33℃
(平年より3~6℃高い)
(雨が降らず水不足も深刻 農作物への影響が懸念)
スウェーデン
約50件の森林火災発生
●北米
アメリカ
米カリフォルニア州デスバレー 7月の気温:52.0℃
同州ロサンゼルス近郊チノ 7月の気温:48.9℃
カナダ
東部のケベック州 熱波や湿度上昇により、高齢者数十人死亡
東部ニューファンドランド島 6/26に約2cm積雪
まとめ
これらに異常気象の連鎖は、やはり地球温暖化が原因ではないかと考えられる。
100年間で0.78℃気温が上昇すると言われている。
地球温暖化対策として、「緩和」と「適応」という2つのタイプがある。
●「緩和」
CO2排出量を減らす。
(例) 省エネの取り組み、再生エネルギーへの切替(太陽光発電、風力発電)、等
●「適応」
すでに起こりつつある気候変動の影響に合わせた対策を考え、実施する。
(例) 防災や減災への心がけ、準備、等
地球温暖化防止の為には、国や企業のみならず、我々一人一人が意識し、世界中が力を合わせて取り組むことが重要である。
「地球温暖化について考えることは、我々の未来を考えることでもある。」
ということを常日頃から意識していきたい。