九州本土の南に点在するトカラ列島(鹿児島県)と沖縄諸島の間に連なる長さ約200㎞の奄美群島。
この島々の中には、希少生物が存在する島もあり、世界自然遺産の登録候補として挙がっている。
2013年5月2日から6日まで奄美大島と徳之島を、2014年5月5日から7日まで与論島と沖永良部島を訪問しましたので、ご紹介します。
奄美大島について
面積713㎞²、人口約63,000人からなる島。
(北海道、本州、四国、九州を除くと、全国で4番目に面積大きい島)
島の中心は、奄美市名瀬。(フェリーの発着点)
このフェリー乗り場の対岸に、ダイエーを発見。
(自然豊かな離島にあるとは・・・ 少し驚いた)
この島には、西表島に次ぐ広さを持つマングローブが見られた。
また、島の南側には、有数のダイビングスポットがあり、透明度高く、種々の海洋生物が見られた。
徳之島について
面積248㎞²、人口約25,000人からなる島。
牛同士を戦わせる「闘牛」が盛んであり、訪問時に闘牛を見に行ってきた。
牛の戦いは、まさに圧巻だった。
徳之島は、合宿地としてトレーニング環境が整っており、様々なスポーツ選手が訪れる島である。
かつて、シドニー五輪で金メダル獲得した高橋尚子選手が走っていた道が、「尚子ロード」として、石碑に刻まれていた。
沖永良部島について
面積94㎞²、人口約14,000人からなる島。
東西に長く、ひしゃくの形をした島である。
隆起サンゴ礁の島である。
島内には、鍾乳洞が存在。
与論島について
面積21㎞²、人口約5,500人からなる島。
奄美群島の中で最も沖縄県に近い位置にあり、南方約22㎞先には、沖縄本土最北端の辺戸岬がある。
島の周囲はサンゴ礁で囲まれた島であり、百合ヶ浜という美しい砂浜がある。
奄美と沖縄の文化が融合した雰囲気が感じられる島である。
この訪問時、沖縄本土北部の本部港からフェリーで与論港に入ったが、ちょうど梅雨入りが告げられ、激しい雨にあった。
奄美地方は、通常、5月中旬頃に梅雨入りするそうであるが、この時は、例年より早かった。
世界遺産登録なるか?
政府は、2017年2月、奄美・沖縄を世界自然遺産候補に推薦したが、2018年5月、日本の自然遺産初の「世界遺産登録延期勧告」となった。
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は、日本列島の最も南にある琉球列島のうち、奄美大島、徳之島、沖縄島(北部)、西表島の4島からなる。
この4島で、約1,200kmにわたって広がる琉球列島が形成される中で、生物の種が分化し固有化していく進化過程と、この地域の固有種と絶滅危惧種の多様性を証明しているわけである。
この地域には、ヤマネコが生息する世界最小の島である西表島のみに生息する「イリオモテヤマネコ」や、近しい種が存在しない「アマミノクロウサギ」、飛ぶことができないために絶滅の危機にある「ヤンバルクイナ」など、個性的で魅力的な固有種や亜種が生息している。
この勧告では、資産が分断されているために進化の過程を示す生態系の価値は認められないこと、生物多様性は認められるけれどもその保護のための推薦地域の選択が不適切であること、などが指摘された。
しかし、本日11月2日、政府は2020年の世界自然遺産の登録に向け、奄美大島や沖縄本島の北部などを世界自然遺産に推薦する方針を固め、再度、登録する意向であることを発表した。
奄美群島・沖縄諸島が一連の資産であることが証明でき、世界的に価値が認められるのか、気になるところである。
まとめ
奄美群島・沖縄諸島は、自然豊かであり、様々な文化が融合しており、魅力的である。
ただ、今回の登録範囲は広大である為、一連の価値をアピールできるのか、がカギとなりそうである。
是非、世界自然遺産に登録され、国内外問わず、様々な人々が訪れ、魅力を感じてもらいたいと思う。