今週末、台風12号が発生。
異例の進路となり、話題となっている。
今回の台風の進路と、異例の進路となった理由について、調べてみた。
台風について
台風は、北西太平洋に存在する熱帯低気圧が、最大風速17m/sにまで発達したものである。
(熱帯低気圧とは、亜熱帯や熱帯で海から供給される大量の水蒸気が上昇して空気が渦を巻き、できたものである。)
ほとんどの台風は、北半球で夏から秋にかけて発生し、熱帯付近で発生した低気圧が、貿易風の影響で西寄りで北上しつつ、太平洋高気圧の縁に沿って移動し、転向後、偏西風の影響で北寄りで西側から東側へ移動する。
ジェット気流の強い地域に入ると速度を速めて東へ進む。
ただし、この通りのコースをとるものばかりでなく、太平洋高気圧の影響により複雑なコースをとるものもしばしばある。
台風12号が異例の進路となったのは何故
今回の台風12号の進路は、小笠原諸島から伊豆諸島付近に北上し、その後、西へと進路が変わり、三重県に上陸し、そのまま西日本を横断した。
日本列島を東から西に横断するコースの台風は、1951年統計開始以降、初めてである。
では、何故、異例の進路となったのか?
それは、下記3つのタイミングが重なったからと見られる。
①太平洋高気圧が東側へ後退
②南側から寒冷渦の接近
③台風の発生
今回の猛暑の原因となった太平洋高気圧が東へ後退し、日本の南側に低気圧である寒冷渦が入りこんできた。
この寒冷渦、周囲より相対的に温度の低い寒気となっており、反時計周りに渦巻いている為、近づいた台風12号が引き寄せられる様に北上し、渦の流れに沿って西寄りにコースを変えたと見られる。
寒冷渦の勢力が弱まるとともに、台風12号の速度も遅くなる。
そうなると、上陸している西日本では台風の停滞による長時間の大雨に注意が必要である。
(産経ニュースより https://www.sankei.com/life/news/180727/lif1807270033-n1.html)
最後に
今回の台風12号は、これまでの台風(北東方向へ進む)とは全く異なるものであった。
28日には関東地方上陸も予想されており、各地で予定されていた様々な屋外イベント(スポーツ、祭り、花火大会等)が中止になった。
結果的に、関東地方への上陸は免れたが、先日、西日本豪雨で大きな被害を受けた地域に上陸しており、雨や風が強まっている。
台風の動きは、予測不能なこともあり、常に最新の気象状況を入手し(気象庁HP)、万一の場合に備え、冷静な対応が出来る様、心掛ける必要がある。