ロシアで開かれているFIFAワールドカップは、ベスト4が決まり、残すところ、準決勝2試合、3位決定戦、決勝戦の計4試合となった。
これまで、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、ポルトガル、等といった優勝候補の国が敗退し、ベルギー、クロアチアといったこれまで優勝したことのない国がベスト4に残った。
スーパースターをかかえている国が勝ち上がるのに苦戦している反面、スーパースターはいなくても個に依存せず組織力で勝ち上がっている国もある。
そこで、これまでのワールドカップでの戦いから、真の組織力とは何か、考えてみた。
個の力とは
今回、スーパースターを抱えた競合国が苦戦しており、ベスト4に進むことなく、敗退している。
その理由の1つとして、個の能力に依存していることが考えられる。
サッカーとは、11人で戦うスポーツである。
11人それぞれの個の能力が融合し、その上でチーム戦略があって初めて「強いチーム」が醸成される。
その中に、スーパースターがいれば、プラスに働くことがあるかもしれない。
しかし、そのスーパースターに依存しすぎると、チームとして、機能不全に陥ることもある。
スーパースターは、当然、対戦相手からターゲットにされる。
対戦相手としては、試合前にスーパースターの特徴や長所・短所等、徹底的に研究し、試合中に決定的な仕事をさせないようにし勝機を見出す。
そうされた場合、他に攻撃パターンや点を取るための戦術があるかどうか?
サッカーにおいて、「個の力」は大切であるが、それに頼り切っているだけでは、勝ち進むことが困難である。
組織力とは
チームとして機能不全に陥った場合、それを打破できる戦術があるかどうかが重要であることは言うまでもない。
今回の日本代表は、下馬評を覆し、ベスト16進出を果たしたが、正直、個の能力に頼り切って成し得た結果ではないと思う。
監督の采配の影響もあり、ピッチにいる11人全員が同じ意思を持って戦っており、得点する際も全員が相手にプレッシャーをかけて攻撃する姿勢があり、また守る際も全員が体を張って献身的に守備する姿勢があり、チームとして十分機能していた。
ただ、攻撃から守備への切り替えの際、相手選手への対応が遅れ、失点するシーンもあったが・・・
サッカーにおいて、「組織力」は、全員が同じ意思を持って動くこと、戦うことである。
最後に
サッカーのような団体スポーツのみならず、会社組織において、重要なことは何か?
それは、「全員が同じ意思を持って、同じ方向を向いて仕事すること」である。
もちろん、「個の力」「個の能力」が重要であることは言うまでもない。
ただ、それに依存してしまうとどうなるか?
もし、「個の(卓越した)能力」を持った人が会社組織からいなくなったらどうなるか?
そう考えた場合、その能力を補う必要があるし、場合によってはその能力を他の人が構築する必要がある。
真の組織力とは何か、それは、
●全員が同じ意思を持って動くこと
●個の能力を補うこと
ではないかと思う。